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zoom RSS とあるXCO選手とのやりとり

<<   作成日時 : 2015/10/23 22:03   >>

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話は一里野が終わった後に遡ります。
あるXCOライダーさんとのメールのやり取りの中で、気になるフレーズがありました。

『数年同じところで足踏み状態です。』
なんだか切なくなりました。気分転換が彼には必要であると感じたため、
『一生懸命にトライすることはカッコ悪いことではありません。
ブレークスルーするためには必要なことです。
結果は求めるものではなく、ついてくるもの。
いっそのこと、トップをひいてみるのも経験ですよ』
と返事を送りました。

XCOはDHIと比較した場合、『練習は裏切らない』確率が高い競技です。
DHIの場合、ほんの少しオーバースピードでコーナーやガレ場に突っ込んでしまうとラインを外してしまい、そこで事実上終了となってしまいます。そこまでに費やした時間や練習は無駄にはなりませんが、結果には結びつけることができません。
XCOの場合、必ず練習を生かせる瞬間があり、高い確率で順位に結び付けることができます。しかし全てのレーストラックに於いて、同じレベルで強さを発揮できる選手はいません。必ず得意、不得意なコースが存在します。高いレベルの選手になればなるほど、その差は大きくなる傾向があることは否めません。(だから山岳賞や山の神が存在します。)
テクニカルなコースが得意な選手もいれば、登りが得意な選手もいる。だからレースの結果が違ってくるわけです。

運動強度を上げて練習をしても、本番のレースで楽になることはまずありません。トレーニングによって能力が上積みされる以前と同じペースで走行するのなら、楽に走ることができるのですが、必ずペースを上げて以前と同じ程度のしんどさで走ってしまうのがXCOライダー魂なのです。

何かを変えなければ、現状を打破することなどできません。
強い相手にゴールまで必死についていき、最後にその差を縮めることができたことを喜んではいけません。厳しいようですが負けは負けですし、少なくとも日本のレースを見る限り、強い相手は勝利を確信した瞬間にクルージングに移行しています。
差を詰められない程度に、詰められても決して抜かれないように、あなたに合わせてスピードを調整しています。強いと思っている相手に勝とうとするのならば、後ろを走っていてはダメなのです。何も生まれてきやしません。後塵を拝している時点で、既に勝負はついていると言っても過言ではないのです。

強い相手と走る際には、とにかく前に出て全力で逃げるという心構えと覚悟を持ってレースに臨んでください。後ろを振り向く必要はありません。そのために首をひねれば、その行為によって無駄に心拍が上がるだけ。相手との距離を確認することはできても、ペースを上げることはできませんから。勝ったことのない相手との対戦なら、ただ、ただ、ひたすらに全力で逃げるのです。

あえて暴論を展開します。
若い貴方たちが、効率良く強くなりたいのなら、ペース配分なんて小賢しいことを考える必要はありません。若いライダーには負ける経験も必要なのです。敗けることを恐れていてはいけません。質の良い、敗北の数だけ強くなれることを知ってください。幸い挑戦者には失うものは何もありません。若い貴方たちには駆け引きによる相対的な強さなんて必要ありません。世界で戦うためには絶対的な強さが必要なのです。
『強い相手にどこまで持ったのか、強い相手をどれだけ苦しめたのか』
着を拾いに行くよりも、シンプルに自分に足りないものが把握できる戦法ですから、確実に強くなれるはずです。事実、今シーズン、前で闘うことによって強くなっていった選手がいます。
残念ながら、毎レース、これを実践することは理想論に過ぎません。折り合いをつけ、そこそこの成績を残さないことには次のシーズンはありませんから。

富士見のレース当日の朝、再度、山田 主 選手(TEAM SCOTT)と話をしました。
うまく嵌ったレースのお蔭でポイントランキングはチームメイトの松本 駿 選手よりも上。以前、自分の理想の走りができていないとリタイヤしたことのある主くん。その彼が体調を崩し、風邪気味だったのです。最近は少し大人になり、何とかレースをまとめられているのですが、思い描く理想と現実との差に疲労感を覚えているようです。本人はそこそこのペースで走り切るつもりのようですが、とても無理そうな体調でした。

「まずは先頭へ。トップを引いてみようか」

「行けたら、いきます。」
メールの返事を思い出してくれたようです。
奥手な主くん、このままでは絶対に先頭に立ちません。

「行けたらじゃダメだ。意地でも先頭に行こう!見える景色が違うぜ?誰もいないし、気持ちがいいぞ!」
彼はとても素直な性格です。背中を押されると・・

2列目イン側からのスタート、路面は道とボコボコの芝の境目。
前の選手はイン側から外に流れながら加速していくはず。
予想は当たり、主くんは路面状況の悪いイン側を真っ直ぐ突き進みます。27.5の特性を生かして一気に加速、トップに立ちました。
今シーズン初めて、黒地に白とイエロー、そしてレッドの腕輪の、SCOTTジャージがトップで颯爽と坂を駆け上っていきます。

下りのセクションに入るまで、彼のトップは続きました。
シリーズ・チャンプに抜かれ、主くんのレースは終了しました。

エリートまで昇格している選手ですから、誰がトップを引いてもおかしくはないのです。むしろ力量を知り尽くしているトップクラスの選手たちが互いに牽制し合い、ペースが上がらないことの方に危惧を覚えます。

レース終了後、主くんに会いました。
「かっこよかった!」
何か言おうとした彼、咳が止まらず話すことができません。
咳き込みながら、相好を崩しながら、懸命に何かを伝えようとしますが、諦めてしゃがみこんでしまいました。
「楽しかっただろ?」
咳は止まりませんが、私を見上げながら満面の笑みで、何度も頷いていました。

主くんのレースレポートで
「自分に足りないものをみつけることができました」と書いてありました。
来年は少し違った山田 主(つかさ)選手を見ることができると思います。
皆さん、引き続き応援よろしくお願い致します。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
いつも興味深く拝見させて頂いております。
今シーズンの山田選手を、2レース程間近で応援させて頂く機会がありました。
好青年という印象の他、素人ながら来シーズンはより上位に食い込んで活躍するだろうという印象を持ちました。
松本駿選出と共に、山田選手が来シーズンもXCシーンで更に活躍出来る様、これからもレース会場で応援していきたいと思っています。


イワキ
2015/10/23 23:46
大島さん、お疲れ様です。

>力量を知り尽くしているトップクラスの選手たちが互いに牽制し合い、ペースが上がらないことの方に危惧を覚えます。

確か今年の女子ロード日本選手権だったと思いますが序盤牽制し合い過ぎて後からスタートした男子が追いついてしまったということがありました。日本選手権が選手にとって重要なタイトルというのは伝わってきますけど勝ってもそこから先へは進まないような気がして少し残念に感じたのを思い出しました。

日本の男子マラソン陣も本当にアフリカ勢に着いていけないのか日本人同士で争っているのかと考えています。
ふるさと
2015/10/24 02:41
イワキさん、こんにちは。

山田選手、現代っ子の部分もあって、面白い子ですよ。駿くんが振り回されるくらいですから。(笑)
今後とも、応援よろしくお願い致します。
大島
2015/10/24 10:45
ふるさとさん、こんにちは。

ホールショットポイントや周回ごとのポイントが加算されるルールを導入すれば選手の強化が図れると思います。提言させて頂ける機会もありますから一度上申してみます。

結果と強化の関係なんですよね。チャレンジしたものを評価する見巧者の方が協会にいらっしゃれば問題は即解決なんですが。
大島
2015/10/24 10:49
とあるXCO選手とのやりとり ヒントになれば幸いです。(仮)/BIGLOBEウェブリブログ
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