自転車用サスペンションの基礎知識になってしまった。 その4

なぜ戻り側の減衰が不足ぎみなるのか?
これはダンパーの位置エネルギーの問題になります。
難しい話になりますが、お付き合いください。

正確な例えではありませんがザックリと。10kgの錘を1mの高さの台に置くと、絶えず1mの高さから0メートル位置まで戻ろうとする力が重力によって生み出されます。

減衰も力の一種。1.5インチストロークのユニットと3.0インチストロークのユニットではサグの数値も倍違います。(1.5インチでは約9.5mm、3.0インチでは約19.0mmになります。)
そう、察しのいい人ならもうお分かりでしょう。クロスカントリー用の1.5インチとダウンヒル用の3.0インチではリバウンド側減衰設定が大きく異なるのです。
*コンプレッション側減衰も異なっています。

リバウンド側減衰力の設定を同じくらいのスピードに設定すると、元に長さに戻る際には3.0インチの方は1.5インチのユニットの2倍近くの時間がかかります。
イメージし難いと思うので結論を。
1.5インチと同じ感じでシャフトが戻るスピードは3.0インチのユニットでは強すぎる減衰設定なのです。

同じ体重であっても、スプリングの硬さはストローク量によって異なってきます。
同じコースで、同じタイム、同じレバー比で走るのなら1.5インチストロークのユニットのバネレートが700bs/inchだった人は、3.0インチストロークの場合、半分のバネレートの350lbs/inchで足りるはずなのです。
(実際にはダンパーの設定が異なるため、少し違った値が出ますが大筋で近い数値がでます。)


今日は少し違う話をおまけに。

サグの調節時にタイラップやOリングを使用します。

これらはサグをとる作業が終了した時に、外してしまうことが正解です。

理由はそこに砂や土がとどまることになり、インナーチューブやボディなどに傷が付いてしまうため。
タイラップ付近にグリスやオイルによって保持された砂粒は、ストロークする度インナーチューブなどにペーパーがけしている状態なのです。
(毎回、乗車する前後に乾拭きをしています。という方はそのままでも問題はありません。)

「どこまでストロークしているか、チェックしたい。」気持ち的には非常に理解できますが、

「知ってどうする?」

つけていてもフルボトムを未然に防止してくれるわけではありません。

またサグが取れていてもサスペンションが使い切れていないから、ソフトな設定にすることは間違っています。
サグの量が必要以上に増えるため、バイクのピッチングが大きくなり、バイクが前に進まなくなります。
ただし「早く走ることには興味がない。快適な状態を楽しみたい。」という考え方があって、ソフトに設定をするのならば、全く問題はありません。
いつまでもタイラップやOリングをつけていると、デメリットの方が大きいと思います。

慣らしが済めば、ご自身に最適な空気圧の数値を設定に使用することもできます。