FITカートリッジの特長

まず初級から中級にかけてのセッティングをザックリとお話します。
パノラマのような硬い路面の場合は、サスペンションは柔らかい方向に設定するようにして下さい。
忘れてはいけないのは、リバウンドもコンプレッションも、サスペンションを動かなくする方向への調整であること。
それぞれの過剰な設定はライダーの恐怖心を呼び起こす動きにつながり、その結果アベレージスピードを下げることになります。


先日、改めて感じたのはFITカートリージの素晴らしさ。

ダンパーシャフトを下側に持ってきたのは大正解。
タイヤの接地面から重心が上がっているわけですからバイクを倒しやすくなります。

オープンバスのカートリッジの場合、カートリッジの下側からオイルを吸い上げるため、どうしても空気が混入します。オイルの流れを利用しているリバウンドもコンプレッションも安定した能力を発揮することができません。
クローズドのカートリッジは内部のオイルの冷却さえ十分にできれば、設計値に近い値の減衰を安定して得ることができます。


個人的に考えるFITの最大の長所は、初期から後期にかけてリバウンドとコンプレッションの強さが変化することにあります。

カートリッジ内部にダンパーシャフトが入っていくと、シャフトの容量分だけのオイルが移動してゴム製のブラダの部分が膨らみます。初めはブラダの膨張力に余裕があるためオイルがスムースに動きますが、ブラダが膨れてくると抵抗が大きくなりダンパーシャフトはカートリッジ内に入り難くなります。カートリッジ自体の基本的な特性として、コンプレッション側減衰が初めはスムースに動き後半踏ん張るようになっています。

膨らんだブラダは元に戻ろうとするため、ブラダ内部のオイルをピストン側に押し出そうとします。バネの力によって元の位置に戻ろうとするピストンをアシストしているのです。
ブラダの膨らみが小さくなるにつれてピストンを押し返す力が弱くなります。ストロークの初期位置に近くなるほど、ブラダの膨らみよるアシストが弱くなります。リバウンド側減衰はニードルによって狭められたオリフィスを通るオイルの抵抗によって発生しています。ブラダの膨らみは、そのオイルの流速を上げることが可能なのです。目一杯ストロークしたフォークは徐々にリバウンド側減衰を強めながら元の長さに戻ります。通常、初期ストローク付近にあわせてリバウンド調整を行うとストローク後半ではリバウンド側減衰が過剰になってしまうことを緩和させる役目を果たしています。

この動きは比較的簡単に体感することができます。
少しだけストロークさせるとリバウンド側減衰を強く感じることができます。たくさんストロークさせるとリバウンド側減衰が弱くなった感じを受けると思います。

“意図しないコンプレッション側減衰を発生させてしまう、過剰なリバウンド側減衰設定にならない。”

FITカートリッジはサスペンションを正しくストロークさせる方向に設定しやすくなっているのです。