27mmオフセットフォークについて

G2フォークと言った方が一般的なのかもしれません。
お問い合わせを頂きますが入荷・製作の予定は今のところありません。
その大きな理由としてはG2用にはカシマコートが用意されていないことが挙げられます。
他の理由もご説明したいと思います。長くなりますがお付き合いください。

通常のフォークはステアチューブのセンターから20mmオフセットされてインナーチューブがマウントされています。前輪の車軸をマウントする部分は更に前に出ていますから、トータルのオフセット量となるフォークレイクは44mmとなります。
G2の場合はクラウンのオフセット量が27mmでフォークレイクは51mmになります。

何のためにオフセット量が変更されているのかを検証してみます。

29インチの問題点の一つは、ハンドルの位置が上がってしまうこと。
オフセットの量を増やすことによって、この問題を解決することができます。
前にインナーチューブを押し出すことによってハンドル位置を低くすることが可能となります。
実際に自転車の絵を描いて、同じ長さのフォークをオフセットさせてみると理解が早いかと思います。
オフセットさせるとインナーチューブ上端部分が前に出ながら上に移動することになります。インナーチューブの上端が上がった分だけ、ハンドル位置を下げることができるのです。

29インチはホイールが大きくなった分ジャイロ効果が大きくなり、26インチよりもハンドリングが重く緩慢になります。
オフセット量を増やすことによって、これらの症状を緩和することができます。
これを説明するためにはトレールという概念が関係してきます。

ここでは単純にトレール量が減るとハンドルを軽快に動かすことができるとお考えください。オフセット量を増やすとトレール量を減らすことができるのです。(このあたりのお話は「キャスター トレール オフセット」で検索していただくと、豊富な図解や写真を使ったサイトを複数見つけることができます。)

オフセット量が増えた分だけ、ホイールベースが長くなります。ホイールベースが長くなれば、曲がり難くなります。この点もフレーム側の寸法で対策がなされており、実際のホイールベースの値は平均的なレベルに落ち着いています。

G2は何を目指していたのか?
答えはシンプル。26インチのバイクから29インチに乗り換えたライダーが違和感なく、29インチのメリットを享受できることを目的としていると考えられます。29インチならではのデメリットを上手く消すための、よく考えられた設計なのです。

そのフレームに対しては、27mmのフォークでなければならないのか?
答はNO!なのです。

流石、業界大手。通常オフセットのフォークを取り付けても大丈夫なような設計がなされ、しかもちゃんとした哲学を持ったバイクに仕上がるようなディメンションを持っています。その一例がホイールベース。オフセットを少なくしたフォークを入れるとホイールベースが短くなり、トレール量が増えるようなっています。これにより他社の29インチよりも高いレベルの運動性能が確保されることになります。

29インチを26インチのように扱うための熟成されたデザインなのですが、実はデメリットも発生しています。
通常はほとんど感じることはないのですが、極限に近い使用をした場合、ハンドルが切れすぎるためバイクを倒しこむ際にコツが要ります。(舵角がつきやすいため、切れ込んでいくハンドルを止めるための動作が必要となります。)
通常のオフセットのフォークを取り付けたG2対応フレームにおいては、この癖は現れません。メリットもデメリットもそのままの、29インチの世界が待っています。
27mmを使えば29インチのメリットを生かしたバーチャル的な26インチのハンドリングが、通常の20mmを使えば29インチの醍醐味が味わえるような設計になっているのです。

20mmオフセットを取り付ければ、よくできた29インチのフレーム。
27mm以外の選択も可能であるため、継続的に製造されないのです。