サグの自由度

サグは幅のある数値、フロント、リア共にストローク量の15%~25%(*RC4を除きます。)で指定されています。
フロントが160mmのストロークならば、サグの指定された値は24mmから40mm、かなり設定の自由度は高いと思います。
体重の軽い方であるとギリギリ24mmといった設定になることもあるかと思います。その状態で十分な作動感が得られない場合には、最大ストロークの値を縮め、サグのレンジを下げるという方向で対応して下さい。150mmに設定すれば、指定されているサグのレンジは22.5mmから37.5mmにシフトします。
更に、車体姿勢が前下がりの状態になりますからサグの量は増え易い方向になるはずです。(以前にお話した良い循環です。)

ストリートのモーターサイクルではサグを重視しないという考え方もあります。車両重量がライダーの体重を越える重さがあるため、デフォルトの状態で沈み込み量が確保されていることが、その根拠となっています。(個人的には賛成できませんが…。)
自転車の場合、軽い乗り物ですからサスペンションのメリットをフルに発揮させようとすれば、サグの設定を無視するわけにはいきません。
走る状況、ライダーの技量や体格によってはレンジを越えた設定が必要なケースも出てきます。15%ギリギリに設定してもボトムを繰り返してしまうケースなどがそれに該当します。

サグの自由度をメリットにするための大前提は正しいサグ値を知っていること。
具体的に言えば、所有されているバイクのサグを前後共に15%と25%に設定した場合の空気圧を把握しておくことが重要なのです。更に理想的なお話すれば、前のサグが15%、後のサグが25%の場合の空気圧の設定値と、前が25%で後が15%の空気圧の設定値を知っていれば最高です。
前後共にその空気圧の範囲に入れておけば、必ずサグの既定レンジ内にセッティングを納めることができるわけですから、その範囲で車体姿勢を自由に設定できるようになります。
例えばシーズンの初めは後下がりの設定にしておき、スピードに慣れるにつれて水平状態から後上がりの設定にもっていくことが可能となります。その感覚に慣れておけば、重量分布の変化によって生まれるハンドリングや接地感の違いなどを知ることができ、状況に応じたセッティングをすることが可能になります。また設定値を知っておけば、サスペンション本体に異常があったり、タイヤの空気圧など自転車本体側に問題があったりした時にも素早く発見することが可能になります。

レースなどペダリングロスを嫌うあまり、サグを極端に少なく設定することには反対です。状況によってはトラクションが効果的にかからなくなり、かえって体力を消耗することがあります。
スプリントレースならば、極端にサグを少なくしたことによって発生するメリットを享受できる可能性がありますが、長丁場のレースの場合、サスペンションが効果的に働かないことによって発生するライダーの疲労を無視することはできません。