では減衰の設定は?

先日ストローク量の15%~25%がサグのレンジというお話をいたしました。
今日はそのレンジに合わせて、減衰をどのように調整すればいいのかについてのガイドラインをお伝えしたいと思います。

ダンパーで発生させている減衰とは一体何なのか?
コイルスプリングの場合、一旦縮められたスプリングはその運動エネルギーを消費するまで、伸びたり縮んだりという運動を繰り返します。(両側を固定するなどの条件があります。昔お話した“びょんびょん”と上下動を繰り返している八百屋さんの釣り銭カゴを思い出してください。)
車体を不安定にする、この運動をいち早く打ち消すための仕事を減衰は行なっています。
コンプレッション側減衰はスプリングが縮む際にそのエネルギーを消化し、リバウンド側減衰はスプリングが伸びる際のエネルギーを消費する役目を担っています。

一般にスプリングレートがあがると、減衰を強く設定する必要が出てくることは理解していただけると思います。ただボトムさせたくないが初期にスムースなストロークが欲しい場合、車体の軽い自転車ではコンプレッション側減衰の設定が単純ではなくなります。
コイルスプリングのサスペンションの場合、プリロードを上げることによってバネを動き易くすることが正しい解決方法の第一歩なのですが、プリロード機能をもたないエアサスペンションの場合、コンプレッションを弱めに設定することで対応するケースが多いはずです。(エアスプリングの場合、圧縮された空気は元の状態に戻れば再び縮もうとしない点がコイルスプリングとは異なります。テニスボールの軟球を握ってそれを確認してきてください。つまりコンプレッション側の減衰設定をコイルスプリングのサスペンションよりも弱く設定することができることで、この対処法が可能となっているのです。もう一つの理由があるのですが後述いたします。)

エアサスペンションの場合、サグを少なくすればバネレートが上がり、サグを多くすればバネレートは下がります。先程お話したエアスプリングの特性のため、リバウンド側減衰の設定はシンプルです。サグを少なくすれば、強めの設定になりますし、サグが大きくなれば弱めの設定になります。

コンプレッション側減衰も基本的には同じなのですが、エアスプリングでは少し事情が異なってきます。
コイルスプリングではサグも一種のプリロード的な役割を果たしているのですが、エアスプリングでは圧が上がる程、動き出しの際に必要な力が大きくなってしまう影響を受けます。
(ストロークの際、その動き出しの手助けをするため、ネガティブスプリングという部品が使用されています。ネガティブスプリングはエアスプリングの設定空気圧が上がれば上がるほど圧縮され、ストロークする際に圧縮された力を解放しながら伸びる仕組みになっています。)

エアスプリングの場合、コンプレッション減衰設定はサグが少なくなれば弱く設定し、サグが多くなれば強く設定するケースが多くなると思います。


*この項では基本的にスロー側コンプレッション設定をお話しています。
またコイルスプリングであっても、負担する荷重が異なる前後ではセッティングの傾向が若干異なってきます。
今回は概論ということでご容赦願います。