リバウンドとコンプレッションの減衰設定の手順

正しい順番はリバウンドの設定を最初に行います。その根拠はリバウンドを発生させる回路の特性にあります。

ストロークしたサスペンションユニットが元に戻るためにはオイルを元の位置に戻す必要があります。
オイルを戻すための回路を使ってリバウンド側の減衰を発生させています。

サスペンションを圧縮する際にはオイルを移動させる必要があります。
ピストン本体に開けられた穴を、ふたをするように固定してあるバルブリーフを押し上げることによって生まれる回路とピストンボルトの中心部にある穴からシャフト内部を通り、シャフトに開けられた穴からピストンの上側に出る、二つの回路が存在しています。バルブリーフ=ふたを開く力がコンプレッション側減衰の正体なのです。

リバウンド側減衰はニードル(針のような形状の部品)を動かすことにより、ピストンボルト側の通路を狭くしてオイルの流量制限を行い、ピストンの戻る速さを抑えることによって生み出されています。
その通路が狭くなるとサスペンションユニットが圧縮される際にもオイルの流れる量が減り、抵抗が生まれてしまうためリバウンド側の設定が圧縮時にも影響を及ぼすことになります。
シンプルに言ってしまえば、リバウンドを強くするとLOW SPEED側のコンプレッションも、それに比例して強くなるということなのです。

コンプレッションを設定した後でリバウンドを強くしていくと、結果として設定したはずのコンプレッション側減衰が過剰になります。
リバウンド側減衰を設定した段階で既にコンプレッション側の減衰が発生するのですから、その不足分だけをコンプレッションのダイアルを調整することで補うという手順が正しくなるわけです。