トラベル量について

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終戦が1945年。20年経過しないうちに生まれた世代の幼少期は高度成長期の真っ只中。
写真のように放置されたままの土地が町のはずれに点在していました。
そんな風景は珍しくなく、戦争で負傷された傷痍軍人と呼ばれる方々を駅前でお見かけしたことを思い出し、改めて私が生きてきた時代は“戦後”であったことを実感するようになりました。

何かを買うにしても、モノがやっと豊かになり始めた頃ですから現在とは違ってお店の品揃えも極端に乏しく、基本的に「大は小を兼ねる」という考え方で、少ない種類の中から選んで購入することが当たり前だったのです。
このような選択方法は戦後の時代をしぶとく生き抜き、バブル景気までは割と一般的な考え方でした。

そうした『哲学』の影響を受けた方々は「トラベルは長い方がいい」といった考え方に陥りがちです。
たまに見かけるのが極端にトラベルの長いフォークを装着したハードテイルやミドルストロークのリアサスバイク。スタイル重視で、自己責任で楽しまれているのであれば、もちろん何も申し上げることはありません。
その状態で十分なサグが得られないと悩まれているのならば話は変わってきます。

少し前に流行ったハードテイルにロングストロークのフォーク入れるデザイン。中上級者であっても、そのバイクを使いこなすことは至難の業。適正なサグを設定しても130mmあたりまでのストロークが限界点だと思います。むしろ大きなサグがペダリングロスを生んでしまうデメリットだけしかありません。

ステムやハンドルを低く設定しても十分なサグが得られないのならば、ストロークを縮めて下さい。
FLOAT系でもスペーサーを使ってストロークを縮めることができます。10mmストロークの限界を縮めるだけでも全く違ったハンドリングを得ることができます。(フレームのデザインによって対応できるストロークのレンジが異なってくるため、普段ご利用になっている販売店さんに相談されることをお勧めします。)

100mm~160mmトラベルに対応できるフレームならば、160mmを150mmに変更しても問題ありません。
「160mmトラベルのフォーク、フルストローク使いきれない。勿体ないので使い切れる設定を。」
以前、このブログでもそのようなご相談にお答えしています。
FOX製品であるのならば、160mmのフォークを敢えて150mmで使用、15QRでは得られない20mmのメリットを生かし、使い勝手を向上させ自分の用途に合わせる。そうした渋い設定が“モノの豊かな時代”ならではの小さな贅沢だと考えます。