オーバーホール後は設定が変わるはず。

ありがたいことに、オーバーホール依頼品が毎日送られてきます。
通常よりも少し時間を頂戴しますが、今のところお受け取り後5営業日以内の返却はできています。


数年前、あるサポートライダーにオーバーホール後の感想を聞いた時のお話。

「以前と比較すると、動きが重く、粘りが強過ぎて、もたつく。」

これはエア抜きが、ちゃんとできている証拠なのです。
比較をしている対象は、オーバーホール前の疲れたオイルと軽くエア噛みをおこしている状態のユニット。
オーバーホール直前の設定で使用すれば、違和感を覚えるのは当たり前のこと。
対処法はプリロードを半回転程度上げる、または減衰を抜く方向に調整します。

新品のシールは、あたりがつくまでは摺動抵抗が大きくなりますし、熱の入っていない新品のオイルを使用し、きちんとエア抜き作業も行われたダンパーを、オーバーホール前と同じ設定で使用すれば、ピストンの動きは重く、角のとれた動きになるため、粘りを強く感じるようになります。

彼は同じ設定で使いたかったようなのですが、それは無理なお話。
オーバーホール後は減衰設定を弱くする必要があり、それによってダンパーユニットの負荷を減らすことができ、過剰な熱の発生を抑えることができるようになります。(ON-OFF的なデジタルからアナログに変わったような、シームレスな感じ。)

ダンパーがエアを噛んでいる状態ではピストンが動き易くなります。
オーバーホールの際、エア抜き作業を進めていくと、ピストンの動きが徐々に重くなっていく現象を体感することができます。エア抜き作業の終盤に差し掛かると、ピストンの動きに対する抵抗が急激に増加し、気泡が発生しなくなります。これが間もなく作業が完了するという合図になっています。