プリロードの正体  その2

プリロードが0で300のスプリング。そのサグは18mm。
0から900までのレンジをカバーできることになります。
サグが18mmなのでバネにかかっている力は
300×(18/25.4)=212.598

これを250のスプリングに変更すると
300×18/250=21.6ミリ
サグが21.6mmになる計算です。
250×(21.6/25.4)=212.598
体重は一定ですから当然同じ値になります。

これでプリロードを一回転上げると、
250×(1/25.4)=9.84
二回転上げると
250×(2/25.4)=19.68

この数値がテンションとなって見た目の沈み込み量が減ります。
サグの値も21.6mmからプリロードの2mmが引かれますから、19.6mm。
理想値に近くなるわけです。

スプリングによる無駄なピッチング(上下の動き)の領域をカットするために、プリロードを使用します。
バネが柔らかいためにプリロードをかけていくと、
初期の反応が高い荷重側に移動してしまうため、実用域に影響が出てきます。
リアのプリロードを2回転という制限があるのはこれも影響しています。
フロントはバネレートが低く、プリロードの影響が出にくくなっているので2回転という制限はありません。

スプリングにある程度の荷重がかかっているとダンパーシャフトが動き出したときに、
スプリングの動きを制御する減衰が0からのスタートではなく、
一回転なら9.84、二回転なら19.68に対応した力を瞬間的に発揮する必要があります。
過剰なプリロードはダンパーの減衰性能(反応速度と力)の限界を超えてしまうため、
スプリングの動きを制御できなくなってしまうのです。

軽量であること、地面から離れてスプリングの負担が0になってしまうことなどの要素も、
自転車ならでは制限を受ける要素になっています。

適度なプリロードはバネの反応性を上げることができます。
プリロードが0の状態であると、スプリングに蓄えられた力(テンション)は0。
速く快適に走るためには、ある程度のテンションは必要不可欠ものなのです。
(高めのバネレートの場合、切り捨てる領域が実用域に影響する程大きくなってしまうため
プリロードが十分にかけられなくなります。)

要は2回転以上のプリロードが必要ならばバネレートを上げる。
プリロードをかけることができないのならバネレートを下げる。

余談(応用): ここまで読めば簡単に理解できますよね。
         ストロークが大きなユニット、
         例えば3インチストロークのバネレートが低い理由は
         300(バネレート)×3インチ=900
         さばける力が900。
         
         1.5ストロークで同じ力(走行限界ではありません。)を処理しようとすると、
         900/1.5=600 のバネが必要となります。
         
         500×3=1500
         1500/1.5=1000!
         適正なサグ、取れてます?